森山良子さんのギター

 この間少し休みがあったので、録画しておいた森山良子45周年記念コンサートを最初から通して観た。
 それで、改めて思い出したのだが、今まで聞いてきたギターの音で、いい音だなあと一番自分の印象に残っているのは、意外と思われるかも知れないが、この森山良子さんのMartin 00-45(CTM?)の音である。

画像 何年前になるかなあ。八戸市公会堂に森山良子さんが来たときに聞いたギターの音は本当に素晴らしかった。

 この人の歌のうまさは格段だが、あの年齢で(失礼)あれだけのステージをこなす気力・体力・バイタリティにも敬服したものだった。(このコンサートは、今回録画のコンサートにもあったが、小さなオルゴール1個を彼女が手回ししながら歌うというシーンなどがあり、全体の構成もよかった)

 結構、前の方の席だったので、当然、目は彼女のギターに釘付けになった。
 弾き語りの彼女のスタイルは見慣れたものだったが、彼女の場合、これまで、その美しい歌声がメインで、彼女の演奏やギターの音には着目してこなかった気がする。

画像 しかし、会場に流れるギターの音があまりに素晴らしいので、目と耳を彼女の指先に集中させた。一番いい音に聞こえるように会場のセッティングはしているのだろうが、これほどいい音も聞いたことがない気がする。演奏も確かで、最初は、ギターからラインも出ていないし、サウンドホールにも何も見えないので、絶対誰か別のギタリストがいて演奏しているのではないかと思ったほどだった。

 しかし、考えて見ると当然なのかも知れない。素晴らしい楽器をこれだけの経験を積んできている方が弾いているのだ。しかも、それをスタッフが一番いい状態で聞こえるようにセッティングしているのだから。

 今回、テレビ録画のギターの音からは、残念ながら、あのコンサート会場に流れる音の感じは受けなかったが、彼女の奏法もよく見ることができた。ガイド代わりと消音のためであろうが、時々1弦に薬指をおいてピッキングしている様子が見てとれた。
 また、思ったのは、彼女が弾き語りで演奏する曲は、それが合うようにと選ばれた曲であること、それに、Martin00-45のようなギターは、ガチャガチャと弾かずに、それぞれの音が響いて聞こえる、音数が少ないフィンガーピッキングのアルペジオが一番合っているということだ。
 会場で見たときは、きらきらとアバロンの光が眩しいギターという印象だったが、今回テレビで見ると、サウンドホール上下の弾き傷もたくさんあり、歴戦の強者という感じを受けた。
    「さとうきび畑」(from 『Concert Tour2007-2008』)

 いずれにしても、八戸でのこのコンサート以来、森山良子さんを見る目が変化したように思う。というか、山本潤子さん(Gibson CF-100E)、イルカさん(Martin D-35)たちのように、これまで歌声だけになじんできた女性シンガーたちも、実際のギター演奏(どちらも青森文化会館)に触れるとその確かさに改めて驚くこととなった。
 自分が若い頃に聞き覚えた彼女たちは、自分がギターに触れてこなかった長い期間も、それを生業として継続し、しかも現在まで輝き続けてきたのだから、確かな演奏は当然なのかもしれない。

 そういえば、“木綿のハンカチーフ”の太田裕美さんは、弾き語りスタイルの印象はないがMartinOM-42PSを所有しているという、彼女の演奏は残念ながらまだ聞いたことがない。
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この記事へのコメント

らいた
2014年07月08日 10:50
こんにちは。アルペジオが似合うギターには間違いないですが、良子さんはこのギターをピックでガシガシ弾いていますよ。ものすごいピック傷でわかります。
2014年07月08日 15:33
>らいたさん
 初めまして、コメントありがとうございます。

 森山良子さんのメインギターMartin 00-45Sには、おっしゃる通りたくさんの弾き傷がありますね。
 不思議に思っているのは、サウンドホールから上の指板の上下についている一番激しい弾き傷の箇所なんですが、彼女がここで弾いているのを見たことがありません。
 ふだん、彼女は鼈甲のサムピックをつけてフィンガーピッキングで弾き、曲によっては途中で、そのサムピックでストロークもしますが、それは前述の位置ではないんですね。
 いつごろついた弾き傷なのかも興味のあるところです。
 弾き語りが基本の方ですから、いろいろなシチュエーションで歌うことがあるでしょうから、本当のソロなどのときはストロークだけの曲などもあるのかも知れませんね。

 でも、やはり、このギターの真骨頂はフィンガーピッキングにあるのではないかと思っています。