なぜD6チューニングなのか

 前回の小松原俊さんのソロ・ライヴ、思い出しながら書いていたらブログが長くなってしまったので、とりあえずアップしたが、書けなかったことをここで書いておきたい。

 最前列の自分と隣の若者は真っ正面なので、小松原さんは、いろいろ話しながら反応を見ていて、ギターを弾くようだとわかったのだろう。
 突然、自分の方を向いて「今日もD6の曲を弾いてきたけど、D6わかりますか?」と尋ねられた。

 大きくうなずくと、「では、D6についていいこと教えましょう」と話してくれた。
(ギターを弾かないお客さんには、何のことかわからないお話がしばらく続いたことになるのでしょうが・・・(-_-))

 D6は、レギュラーコードと同じ押さえ方で、低音弦側にそのままひとつずらすとちゃんと同じコードになるというのだ。またスケールもずらすだけでレギュラーと同じに弾くことができるのだといって、実際に押さえながら少し弾いてみせてくれた。

 うなずきながら聴いていると、「いい勉強になったでしょう、あとで別料金ね。」と冗談を言われた。

 ライヴの最初の頃に、「この前ライヴと一緒にクリニックもやってきたけど、今日の機会に聞いてみたいことがある人いますか?」と聞き、間髪入れずに「ないですね。今日はそういう会ではないですからね。」と流されてしまったけど、このD6のくだりは、とても参考になった。

 D6は、オープンD(6弦からD,A,D,F#,A,D)の2弦をAからBに換えたコードで、自分がこのコードで実際に弾いてみたのは、小松原さんの“くじら”が初めてだったと記憶している。
 このD6は、中川イサトさん(ハーフダウン)も多用している。(だから、岸部眞明さんの“Song for 1310”ももちろんD6)

 よくオープンコードを使うギタリストは頭が混乱しないのかなあと思ってしまうけど、上記のことがD6を選ぶ理由の一つになっているのかも知れないと思った。

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 この日聞いたD6のコードのことが気になっていた。

 ずらせばいいということだけ聞いたが、ずらせばいいということは、音の並びが同じになっているはずだと思って、帰ってから自分なりに書いて整理してみた。
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 ①は、D6チューニングのときの各弦の音の高さを表している。
 ②は、そのときの5フレットの各弦の音。
 ③は、レギュラーチューニングのときの各弦の音。

 書いて見たら、②の5弦から2弦の音が、③のレギュラーチューニングのときの4弦から1弦の音の並びと同じになっていることがわった。

 なるほど、だから、レギュラーのコードと同じ押さえ方で6弦方向に平行移動すると同じコードになるのか。
 6弦と1弦は押さえなければいいのか、いや、待てよ。もし、押さえるとしても、単純に4弦と同じフレットを押さえればいいんだ。

 単に響きや運指だけのことでなく、こういう理屈がわかっているから、D6チューニングで曲作りをしたり弾いても混乱しないんだなと思った。

 ずっとギターを弾き続けてきた人は、経験則で知っていたかもしれないが、自分は、ただTAB譜で示されたチューニングに合わせ、フレットの数字だけを見て押さえているだけなので、こういうことまではわかっていなかった。

【追記2012/11/26】
 小松原さんの楽譜集『SCENE』の中に、小松原さんとイサトさんへのインタビューが載っており、D6を多用する理由として、ライブ中にいろいろ換えるのは大変という理由の他に、D6はマイナーの曲も弾けるからということが書かれていました。

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もう一つ。

 小松原さんは、自分のギターのいろいろな部分についても知り尽くしていると言いながら、例えばと言って、2弦のナットからペグポストまでの部分をつかって音を出してみせた。
 もちろん、曲の途中で使ったこの方法の説明だったのだが、TAB譜をみて演奏し、真似をしようとしても、どのギターでもこの方法が使えるわけではないという。
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 このギターの、このチューニングで、このテンションだから使えるのだという。そのために、2弦は2巻きにしているのだそうだ。これを3巻きにするともう音が合わないのだという。

 ハーモニックスとも違う小さな高いピンという音が出るのだが、曲の中でこの方法で同じように演奏していたのを見たことが、以前にも一度あったが、イサトさんだったかなあ岸部さんだったかなあ。

 小松原さんは、この弾き方を2つの曲で披露した。


 東京での、ライヴ以外のことは、また別の機会に。

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