スキャロップド・ブレイシング

 愛用のSanta Cruz OM-42は、ブリッジ下のトップがほんの少しふくらんでいるせいもあって、向かって左のブリッジのすぐそばが逆にくぼんでいるように感じられる。

 これはこのギターを手に入れたときからこの状態である。

 このSanta Cruz OM-42はネックにトラスロッドが入っていないということもあり、これ以上この状況が進行しないようにしなければと思っている。

 弾いたあと弦を緩めるかどうかについては、いろいろな考え方があるが、上記の理由から、最初は弾いたあとは必ず弛めるようにして使ってきた。

 その後、このギターをオープンチューニング専用のようにして使うようになってからは弦は弛めなくなったが、たまにレギュラーで使うときは必ず少し弛めるようにしている。

 この間購入した打田十紀夫氏の教則本『39歳からの本格的アコースティックギター』のコラムにも、弾かないとき弦は弛めるべきかどうかについて記述があった。

 打田氏は、弛める弛めないの両者の考え方について解説したあと、本人は弾きたいと思ったときすぐ弾けることが大事なので弛めておらず、それで今まで問題はないと書いていた。
 ただし、『虚弱体質のギター』という表現で、表板の裏の力木を削ったスキャロップド・ブレイシングのギターなどは、抜けのいいサウンドがする反面、張りっぱなしにした場合弦の張力に負けて表板が膨らむ可能性もあると書いている。
 それでも、“張りっぱなし派”の打田氏は、そのギターだけ弛めるということをしたくないということから、そういうギターはオープンチューニングにして使っているという。(他に、レギュラーでも全弦半音下げにすると、トータルで8kgほど張力が下がるということも触れている。)

 このあたりの考え方・やり方は、自分がしてきたこととほぼ一緒で、やはりこれでいいのだと少し安心もしたが、しかし、最初に書いたSanta Cruz OM-42のトップの状況が気になり、実際のブリッジ裏のブレイシングの様子を見たいということと、ブレイシングがどの程度スキャロップされているのかも見たくて、スマホのビデオを作動させてサウンドホールから入れてみた。

 ここでは、その動画そのものでなく、そこから切り取った写真を組み合わせたものを参考に載せておこう。
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 この動画を見てわかったことは、自分のギターのブレイシングのスキャロップの程度は、Martin社でいうところのStandard "X" Scallopedと同じと思われるということだ。
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 そして、Santa Cruz社のブレイシングは、元になったMartin社のブレイシングとほとんど同じであるということ。
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Scallaped Martin 5/16" Bracing

 Santacruz社の訪問をした方が撮ったOMのブレイシングの写真が下のものである。
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 さらに、下の写真のCollings社のブレイシングもほぼ同じであることがわかる。
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 SantcruzとCollingsは、どちらもMartinヴィンデージサウンドを追求していたわけだから当然といえば当然かもしれない。
 ただし、掲載した写真の一般的なMartinと、SantacruzやCollingsとでは、いわゆるXブレイシングの位置が少し違っていることもわかる。

 最後に、Martinの職人さんがブレイシングを削っている動画があったので載せておきましょう。

 (自分の木彫の常識からいうと、この職人さんののみの使い方は反対で、こののみの向きだと力を入れなくても削れる分、必要以上に木材に食い込んでいきそうな気がして見ていて怖いのですが、手慣れていて一気に削っているのでこれでいいんでしょうね。) 

 おまけに、ブリッジ裏のブリッジピンと弦のエンドボールの写真も載せておきましょう。
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 この写真からは、エンドボールの向きがちゃんと意図した方向にほぼそろってセットされていることと、張力の強い低音弦の方ほどエンドボールがブリッジ裏のプレートに食い込んでいることがわかる。

【訂正2014.12.26】
 文中で「ブレイジング」と使っておりましたが、「ブレイシング」に訂正いたしました。
 英語ではBracingですから濁っていないのですが、自分でもおかしいと思いながら、ネットでは濁って使われることが多いので、「スムース」と「スムーズ」のようなものかなと、それにならって書いていたのですが、御指摘くださる方もあり、また『39歳からの本格的アコースティック・ギター』『アコースティック・ギター・ブック40』では「ブレイシング」と使っていますので、訂正することにしました。
 なお、コメント欄は日時が変わってしますので、そのままにしてあります。
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